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移りゆく季節を感じながら
立春が過ぎてしばらくが立ちますが、少しずつ寒さも緩みはじめているように感じる今日この頃。
気温から感じる向かいゆく春を、例年よりほんの少し落ち着いて迎え入れている自分がいます。
でも、それはほんの少し落ち着いている自分に合わせるように、ほんの少し周りに眼を向けられるようになった自分がいるからかもしれません。
今の場所に住み始めて、4月を迎えれば4年目となります。
4月と言えば少し先のことになるのですが、その時間の過ぎた早さを考えると不思議な気持ちになります。
もう4年か。。。
そんなつぶやきをしてしまいたくなるような、後悔とも達成感とも言える、ただ自分の形作られてきた人生の一部を感じています。
「形作られた」というよりも、自分が「形作ってきた」人生を感じているのかもしれません。
環境や行動や、自分の意志や能力、そうしたものが複雑に絡まっている人生は、形作られていくのか、形作っていくのか、一つの表現にはしにくいものですが、
ただそこには、誰の人生と言えども、流れてきた確かな「時間」が存在し、その流れてきた時間は一つの歴史として敬意を持って受け止められるものであると感じています。
過去がなければ、現在という今はなく、また未来もあり得ないという、そんな当たり前のことを、ふとした季節の変わり目に感じてしまいます。
現在という言葉を英語にすると、「present」
今というこの時間が、「贈り物」であることも感じながら、その時間を楽しみたいなと思います。
時間を楽しむとき、「短歌」というものも情緒深くて良いものだと思います。
MOAの創始者・岡田茂吉も多くの歌を詠んでいます。
私が好きなのは
人の世の 楽しさ知りぬ 庭に咲く 椿一枝 床に飾りて
血に燃ゆる 乙女の恋の 色うつし 咲きも出でしか 紅椿花
コスモスの 花のみだれに 秋の雨 そそぎて庭の 昼静なる
などあります。
特に最後のコスモスの歌について、私がはじめて目にしたのは高校生くらいのときでした。
高校生のときはあまり体調がすぐれず、よく学校を休んでいました。
そして、家に一人でいるときの昼下がりとか、本当に静かだったんです。
この短歌を目にして、その静かさに美しさを感じることの出来た感動は本当に大きかったです。
ささいな一場面さえも美しく切り取れる短歌も、人生を豊かにしてくれる楽しさの一つとして素晴らしいなと、そんな風に思います。
2010.02.25