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小麦星人(後編)

どうも、こんにちは。

ちゃっぴ~です。

ずいぶん前になりますが、前回投稿(2月28日)した小麦星人のお話を続けたいと思います。

宇宙人である小麦星人から呪いを受けると、地球人はラーメン・パスタ・うどんのうち、どれか一つしか食べられなくなります。しかし、その選択は呪いを受けるときに本人が選ぶことが出来ます。そこで、13歳のマチ子ちゃんはどういう選択をするのか。というところで前回は終わってました。

ところで、何気なくミョ~なお話を続けていますが、全くの私の作り話でございます。完全フィクションでございます。しばらくはこんな感じの投稿を続けてみようかと思っています(・∀・;)

さてさて、人生は決断の連続。そして、その判断基準は十人十色。

13歳のマチ子ちゃんはどのような「決断」をするのでしょうか。

ラーメンか、パスタか、それともうどんか。。。

小麦星人のムギオは、呪い担当でした。彼はたかだか食事の二種類が食べられなくなるくらいたいしたことじゃないだろうと思っている小麦星人でした。それから、ムギオは妙なクセがありました。それは何か作業をするときに「感謝感謝感謝」とつぶやくのです。

クセは治らず、たくさんの地球人に呪いをかけた後でも「感謝感謝感謝」とつぶやいています。

それは、ムギオはこの呪いがたいしたことじゃないと思っている反面、他人様の人生を束縛して自分たちが生きる方法であることに変わりは無いことを理解していたからです。だから、呪い終わる度に「感謝感謝感謝・・・」

そんなムギオの前にマチ子ちゃんが現れます。

「さあ、お嬢ちゃんはどれを食べれるままにする?」

マチ子ちゃんは考えます。

やっぱりパスタはこれからも食べたい。。だって、ナポリタンやミートソース、カルボナーラとか、いろんな味がいっぱいあるんだもの。

だとすると、うどんとラーメンのどちらかかなぁ。

悩んでいるマチ子ちゃんを見て、ムギオが声をかけます。

「今まで選択した人たちをいろいろ見てきたが、基本的には二種類だな。仕事に関係する理由から選択する人、もしくは好きだからという理由で選択する人。今のあんたは仕事を持っていないから、単に好きな物を選んだらどうだ?」

マチ子ちゃんはまた少し考えて答えます。

「あなたのお名前はなんですか?」

「ムギオだが。」

「ムギオちゃん、ここで私がラーメンを選んだとするよ。それでもし私が将来うどん屋さんと結婚したら、うどん屋さんを手伝わないといけないわ。うどんの食べられない奥さんってさまにならないじゃない。」

将来のことも一応は考えているんだと、少し興味がわいたムギオでしたが、どう話を続けようかちょっと悩みました。

そんなムギオのことなど気にかけず、マチ子ちゃんは続けます。

「決める前にね。ちょっと聞いておきたいことがあるの」

「あなたたちのその呪いの力は自然に身についたものなの?」

「そうだよ。なんとなく出来るようになってた。そこに理由はないよ。出来るからやってるだけだ。生きるために。」

「生きるためなら、選ばせなきゃいいんじゃない?」

自分の能力が身についた理由、そして相手に選択権を与える能力について率直な質問が飛んできたことに少し戸惑い、そして少し間を空けてからムギオは答えました。

「う~ん、たぶん自分の人生と会話してほしかったんだよ。きっと。」

自分の人生と会話。

まだ13歳のマチ子ちゃんにとって、その答えをイメージさせる具体的なものは頭に浮かばなかったようです。

考え込み始めているマチ子ちゃんを見つめながら、ムギオは自分に語りかけるように話を続けます。

「呪われました。ラーメンもパスタもうどんも食べられなくなりました。」

「そんなのは、強いられて、諦める。それだけしかない。だけど、選択肢があるのなら、選ぶことが出来るなら、そこに理由と感情が入る。それは、つまり人生と会話してる。自分を見つめることができるって思うんだ。」

「選択肢が無いと一方通行だから、立ち止まらないんだよ。通っている道に対していろいろ思うことはあっても。しかも、その思うことっていうのは大抵愚痴だけだ。」

マチ子ちゃんはムギオの話を聞いても、やっぱりなんとなくピンときません。

しかし、自分の質問に答えてくれたことに対して、何か返事しなくてはと、精一杯考えて自分なりに理解した言葉を口にしました。

「う~ん、呪われても諦めちゃダメってこと? 諦めないために選択肢を作ったってこと?」

ムギオは自分が小麦星人に生まれたこと、そして、地球で人間と仲良く楽しく過ごしてきた時間を思い起こしながら、マチ子ちゃんのさらなる質問に答えました。

「ちょっと違うかなぁ。」

「諦めないためじゃなくて、歩いていくためにってことかな。」

「今、俺たち小麦星人は地球人にこうして呪いをかけてる。俺たちは好きで小麦星人に生まれたわけじゃないし、地球人と争うつもりもない。だけど、小麦星人の体質だからと諦めて簡単に死ねるほど単純でもない。」

「小麦星人であることや地球にいることは変えられないこと。そんな風に物理的状況を強いられたとしても、そこには心の自由だけは残されてる。誰も、たとえ神でさえ、他者の心を完全に強いることが出来ないからこそ、強いられた状況に対してどういう受け止め方をするか。そこが大事になってくる。」

「って思うんだ。」

「ちょっと難しいか。。まぁ、心の主役はどこまでも自分自身だってことだよ」

考え込み眉間にしわがよってくるマチ子ちゃんを見ながら、少し間をおいて、ムギオはつぶやくように続けます。

「だけど、前向きに生きようとする前に心が折れることだってある。折れそうになることなんかもっと多いだろう。いろいろな状況があるけど、どうしたって苦しいものは苦しいし、心の自由って言ったって、周りの環境にその状態は左右されてしまう。つまり、前向きにいこうったって前向きになれない場合だってある。いろいろ話を聞いて、そういう見方もあるからって言われても、納得がすぐ出来ない場合もある。どんな正論でも、例えそれが宇宙の真理であったとしても、その時の自分には受け止めきれないこともあるんじゃないかなぁ。」

「まぁ、自分がそうした方がいい、そうあるべきだと思っていることと、実際に行動している内容っていうのは必ずしも一致してないってことだな。」

「素直になるってそれだけ難しいんだよ。自分にぶつかってくる出来事に対して、その感じ方のクセってものが人それぞれあって、そして感じていることと行動が一致するかというとそうでもないからなおさらだよなぁ。」

いつのまにかマチ子ちゃんは体育座りをして聞いていました。

そして、マチ子ちゃんが答えます。

「感じていることと行動することが一致しないというのは、なんとなく分る。」

「隣の家のお父さん、奥さんが亡くなった時すごく落ち込んでたの。でも、奥さんには冷たい態度ばかりとってた。私、お父さんは奥さんのこと嫌いなのかと思ってたけど、実はそうじゃなかったんだって後で気づいたの。」

マチ子ちゃんの思い返す時間を待ってから、ムギオは話を続けました。

「大事である事は知ってても、その時表現する最善のカードを“冷たい態度”しか持ち合わせていなかったのかもね。」

「でも、お父さんはそんな自分も知ってて、だからこそ心の中では奥さんに対する強い想いがあったのじゃないかなぁ。」

「心に自由があるから、考えるから、感じる繊細さがあるから、比べてしまうし素直になれないときもある。そして、時に人間は歩けなくなる。」

「でも、そんな心の自由があるからこそ、与えられたことや起きてきたことに誠実に真向かうことで、良い未来があるように思ってるよ。」

「だから、僕らは自分たちの生命の危機に誠実に真向かうために、自分の人生と、そして君らと会話する為に、選択肢という能力制限が付いたんじゃないかと思ってる。」

「さぁ、質問には答えただろ。ちょっと長くなってきたから、そろそろ決めよう。」

「お嬢ちゃん、結局、ラーメン、パスタ、うどんのどれにする?」

自分の人生との会話、素直になる、誠実。。。

ムギオの話は理解しきれいないまま、ところどころでムギオが発した言葉を頭で繰返しながら、マチ子ちゃんは答えを決めました。

「じゃあ・・・・」

「わたし、食べない。」

「は?」

ムギオは聞き返しました。

「わたし、三つとも食べないでいい。」

「大人になってから、その決断を後悔するかもしれないけど、苦しい想いをするかもしれないけど、それでも今の素直な気持ちでは食べなくていい。だから、あなたの好きな呪いをかけてくれたらいい。」

ムギオはマチ子ちゃんの力強い瞳を見ながら、「そっか。」とつぶやいて、呪いをかけました。

「パスタとうどんを食べれなくしたぞ。」

それから別れの挨拶を交わし、マチ子ちゃんは去っていきました。

呪いの順番待ちの人間が来るのを待ちながら、ムギオはそっとマチ子ちゃんを振り返りました。

まるでレストランでメニューを選ぶかのように現れたマチ子ちゃん。しかしムギオの眼には、去っていくその背中が小さな戦士のように感じられました。

おわり

次回「寿司職人を夢見る純平くん」

2013.07.15

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