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統合医療のススメ
普段病院に行くことがない私としては、あまりピンとこない話ですが、病院にいく人々を取り巻く悩みや問題は多くあります。
例えばお医者さんと患者さんの関係。私達にとって、お医者さんは私達の病気に対してアドバイスしてくれたり、治療してくれたり、その専門知識と技術をもって助けてくれる存在ですが、現実はどうかというと、患者さんの話をじっくり聞いたり、治療についての患者さんの希望を聞いたりしてくれるお医者さんは、少ないですね。
この問題は、アメリカやヨーロッパでは「医者と患者関係問題」として広く研究されています。
この問題の裏側には、現代医学が科学として発達してきたという背景がありまして、病原の発見やその退治法の研究のかたわら、患者を人間として向き合うという姿勢が薄れてしまい、目の前の患者さんの体内にある「病気」を見つめる意識が強くなったということです。
また、医者になるためには非常に多くの知識と経験が必要ですが、それがお医者さんのパワーとなって、普通では超えられない個人の境界線を超えることができるのです。普通、人前では服を脱いだりしませんね。でもお医者さんの前では、たいてい誰でも、抵抗することなく服を脱ぐということも、そのパワーの現れの一つです。
こういった力関係が、実はお医者さんと患者さんの間には暗黙的に存在しているのです。その力関係のなかで、患者さんが不具合を感じていても、常に患者さんが折れる形で今まできているのです。
昨今、統合医療という言葉を耳にした方も増えてきているのではないかと思いますが、単に現代医学と相補・代替医療を組み合わせた医療システムというのではなく、現代医学に潜む様々な問題も視野に入れた、医療としての視点を大きく転換する新しい医学の先駆けとして、注目に値するものなんですね。
2010.05.10