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65年目を迎える「原爆ドーム」

7日に、仕事で広島に行ってきました。中国地方とは、これまでなかなか縁がなくて、人生30数年目にして初の広島でした。

私は出張の時、名所旧跡なども巡って、無駄のない有意義な出張にようと心がけていると口にしては、仕事仲間に怒られているのですが、この時期は陽が沈むのが遅いお蔭で、仕事終わりに世界遺産である「原爆ドーム」を見学することができました。

感想としては、ありていな言葉になってしまいますが、本当に、決して上っ面ではなく、平和というものを考えさせられる場所でした。

今年で原爆投下から65周年を迎える被爆地・広島。
負の遺産と言われる文化遺産を短い時間ながら歩き、いろいろ感じるものがありましたので、ルポ的なものを書きたいと思います。



皆さんも不思議に思った事があるのではないかと思います。原爆が炸裂した時、3,000度以上の熱を帯びた爆風と風圧によって爆心地周辺の建物は全壊し、焼け野原状態になったにも関わらず、何故この建物は残ったのか? 周辺を歩いていると、被爆する前の建物の写真とともに説明書きがされている看板を見つけました。どうやら、ほぼ真上で原爆が炸裂した事で爆風が垂直に働いた為、全壊を免れたそうです。ただし、炸裂時、この建物で働いていた何十人という方は即死に近い状態で亡くなられたそうです。 この場所で原爆が炸裂し、多くの命が消えた。1個の爆弾が10万人以上の命を奪った。 文章は長くないのですが、箇所箇所にある説明書きを読むだけで、戦争の悲惨さがとてもリアルに感じられ、原爆ドームをはじめ、いたる所に建てられている記念碑や慰霊碑の前に立つと、手を合わせたり、黙祷を捧げずにはいられません。


歩いていると、8月6日や8月15日にある場所に千羽鶴を取り付けている小学生の映像をテレビで見ていることを思い出しました。原爆ドームに隣接する広島平和記念公園にある「原爆の子の像」が、そこだと分かりました。 ある女性が2歳の時に被爆し、10年後に白血病でなくなった時、同級生が「原爆で亡くなった全ての人たちの為に」と募金活動を行い建てた慰霊碑だと知りました。 像の横には雨風をしのげる「折り鶴置き場」があり、無数の千羽鶴が多くのメッセージとともに取り付けられていました。 小学生だと思うのですが、「平和にする為に世界の人と仲良くします」「2度と戦争が起きないようにします」などと書いています。 慰霊碑を立てた同級生たちの思いや、千羽鶴のメッセージを読むと、自分が小学生だった時、亡くなった人や世界の平和を願うような思いを持ったり、誓いを立てたことがあったただろうかと、恥ずかしいような情けないような思いが込み上げてきました。もちろん自虐的になる一方で、戦争を体験した人が願った平和への思いが、半世紀以上過ぎた今も子供たちに継承されていることの喜ばしさというのも感じました。


「原爆の子の像」の先には原爆死没者慰霊碑がありました。筒状になっている石の屋根?オブジェ?の下には、被爆して亡くなられた方の名簿が納められ、石碑には「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」とのメッセージが彫られていました。 筒状からは直線上に原爆ドームも見えます。 近くで話していたガイドによると、名簿は毎年書き加えられていて、今では被爆による死没者は25万人に上っているそうです。 核はいけない、戦争はいけない、過ちは繰り返してはいけない、平和な世界を作っていきたい。 そうした思いは、もちろん持っていましたが、実際に訪れることによってその思いは一層強くなったような気がします。一方で「では自分はその為に何ができるのか、何をすれば良いのか」という問いかけも生れてきました。 戦争のない世界、平和な世界を願う、祈るというだけでもいいのかもしれません。 そうした思いを持ち続けることで、自分の姿勢や心がけ、言動などが変わっていくのでしょうから。でも、もう一歩前進して、行動に移せることはないか。そう思った私は、まずは平和を願う人たちの思いが集まっている広島の原爆ドームと平和公園の様子をブログに書いた次第です。

2010.07.09

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